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【2022年更新】ガンとゴンのエピソード群についての考察

(2022/01/24更新) ポロン・ガンとゴンのフライヤー発掘おめでとうございます!長らくほったらかしだったこのブログでしたが、流石に何か更新しなきゃと思ったので記事の後半で例のフライヤーの情報を交えた考察を追記します。しました。


dic.nicovideo.jp

某所の某イベントに際し、「ガンとゴン」の事を久々に考えてたら色々と思いついたので書き残しておく。

いちおうタイトルは「考察」としたが、元の情報が少なすぎる以上全然それらしい結論は得られてないので勘弁を。

 

↓↓↓ガンとゴンを知らない方は先にこっちを読んでくれ

hoshinokoporon.wiki.fc2.com

 

 

何の考察?

「ガンとゴン」のエピソードの形態についてである。

 

「ガンとゴン」は主人公コンビが世界中を飛び回り冒険するアニメ……だと言われている。本当に「世界中」なのか、荒野で盗賊と鬼ごっこする話とインディアンの部落で悪い酋長と戦うエピソードしか発掘されていない現状では分からないかもしれないが、例のWikiにある未発掘分のサブタイトルを見るとこれだけでも相当な舞台を用意していたことが想像できる。

  • ハワイの休日
  • 地中海二人ぼっち
  • ドラキュラー現わる
  • 香港の夜
  • 泣くな忍者
  • ラーメン星からの脱出

さて、本作は1話完結ではない続き物となっており、いくつかのエピソードがまとまって複数のシリーズを形成しているらしいことが分かる。発掘分では

  • 砂漠編(オアシスを守れ)
  • 金貨編(帰ってきた金貨の袋・金貨とダイナマイト)
  • 空中戦(?)編(空中戦)
  • インデアン編(まきこまれたガンとゴン~エレキ作戦の4本)

に分かれている。

現在「ガンとゴン」における大きな謎は、放送回ごとの時系列が不明瞭であるという点である。この謎について、現状最もエピソード数が多い「インデアン編」をメインにして解き明かしていく。いけるかなぁ?

エピソードの順序

現在分かっている情報からは、ストーリー以外で順番を断定できる要素がない。

いきなり身も蓋もない話になったが、Wikiにある発掘済みの放送日リストを見る限りでは「エピソード順」を断定する要素にはなりえない。どういうことかと言うと、

  • 本作は複数の放送局で放送されたが、放送された時期はバラバラ
  • そして、各局で放映順が異なる(また、期間内に不定期に再放送も挟まれている)
  • 何よりもインデアン編などの繋がりが確定しているエピソードがまとまって放送されていない

と、要は放送時点でエピソードがシャッフルされてしまっているのである。本作はもともと番組販売という形式で各局に売り込んでおり、いつどの回を流すかも局側に委ねられていたのだろうが、これはひどい

※複数の局の放送リストを見比べてみて初めて気づいたこともあったのだが、正直疲れてきたんでそっちはまた今度追記すると思う。←これ何のことだっけ忘れた

「シリーズ」の形態

しかし気になるのは、シャッフルされる前はどういう形態になっていたのか?という点である。「インデアン編」を例にとって元々はどういうつながりになっていたのかを考えたい。

幸い、発掘順でも最初に位置する「まきこまれたガンとゴン」が時系列でも最初の方になることは分かりやすい。「敵キャラである酋長を探すところから始まり、さらに保安官もグルだと判明する」シーンがあり、他の回では初めから悪党コンビとの戦いになっていることからこの話が最初の方に位置することは分かる。

もちろん、これが「インデアン編」シリーズ第1話だとは到底思えない。あまりにも説明不足が過ぎるからだ。なんで一行は酋長を追ってるのか、なんでインデアン(ラーラ)が味方についてるのか、トムソンとは誰なのか、全く説明がない。何よりも放送リストに「ラーラとの出会い」というズバリなタイトルが存在しており、少なくともこの回が前日談として存在していることは確実だと言える。

次に各話毎のつながりを探るため、それぞれの始まり方・終わり方を見ていく。

  • まきこまれたガンとゴン:酋長を探す一行→落とし穴に閉じ込め撃退
  • 危険が迫っていた:周囲を偵察中の一行→ゴンが落下の危機
  • 老インデアンの死:墓の前で泣くラーラ→ダイナマイトで酋長らを吹っ飛ばし撃退
  • エレキ作戦:ラーラの家に案内されたガンゴン→磁石になった悪党が逃げ出す

と、シーンの整合性にこだわった場合全く繋がりが見えてこない。悪党を撃退した回はまだしも、ゴンが崖に引っかかった後のフォローとなる話が存在しないのはかなり気になるところではある。

シリーズの「おわり」

ところで、本作には「おわり」のテロップが2種類存在する事にお気づきであろうか。

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「まきこまれたガンとゴン」より

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「老インデアンの死」より

一つは「ガンとゴン おわり」のテロップがフェードインしてくるもの、もう一つは「おわり」と描かれた一枚絵が映し出されるものである。後者は発掘回では「返ってきた金貨の袋」と「老インデアンの死」「空中戦」の3本にのみ存在する。

母数が少なすぎるのでなんとも言えないのだが、後者の「おわり」の回は何かしら特別な意味があると自分は予想している。つまり「小シリーズの最終回」である可能性だ。

前述の通り、いくつものシリーズで区切られている回をまとめ売りしていたガンとゴンであるが、この「おわり」が区切りとなっているというわけ。「金貨の袋」では「金貨とダイナマイト」から続いてるというのが分かりやすく、「老インデアン」でも激戦の末ついに悪党を捕まえたという展開を見ればインデアン編最終回となっていてもおかしくは無いかもしれない。

この説の弱点は、どちらの回も「投げっぱなし」でオチが弱いという点である。あれで終わりと言うならば金貨の袋を「あ~あ…」と言いながら見送るガンのカットとか、「ゴン、ありがとう」とかラーラが言っていい感じになるカットとかあっても良いはずである。「空中戦」だけは唯一ギャグらしい締め方になってるのが救いだろうか。

後で説明するがこの説は多分間違ってた。インデアン編については今の発掘順であってるっぽい。

1シリーズ○話説!?

ようやく書きたいことを書ける段階に来た。項目名通り「ガンとゴンは本来○話単位で作られていた説」である。

1シリーズ5話説

本作の放送形態は帯番組を想定していると思われ、実際富山テレビと山形放送ではすべて月~金の週5回放送されていたため、最初から1週間で1シリーズが完結出来るように作っているという説である。そこまで考えていたかは不明だが、OP除けば1話2分ちょいなので1シリーズ分を15分枠で放送できる、という使い方も出来たかもしれない。

根拠と言うわけでもないが、未発掘の「ラーラとの出会い」を加えると「インデアン編」がちょうど5話になる。その仮定だとインデアン編は逆にあの5話だけということになるが。ラーラ達との出会い、2人の悪役の登場、そしてトムソンや老インデアンの死を果たしてあのテンポと尺で「出会い」の1話で描けたのか、は定かではない。

後述するが、公式でのタイトルと順序が判明したことでこの説はある程度までは正しい可能性が出てきている。

1シリーズ10話説

5話で描くのが無理ならその倍だ、という説である。話の長さによって1週間だったり2週間だったりしたかもしれない。あくまでも5話1セットという前提での話である。今の倍の話数あったらあの整合性のなさも「半分未発掘だから」という理屈で済ませられるかもしれない。

10話とは限らないが、5話より長いシリーズが存在する可能性もある。あと多分インデアン編に「出会い」以外の未発掘回はない。

6~7話説

福島テレビでは一時期土曜日も含めて放送していたのを見て思いついた説。土日含めた帯というのがそもそもレアケースなのであえてそっちに合わせる意味は無さそう。

話数なんか決まってないよ説

シリーズによって話数とか違うし、放送回数のことなんか考えてねえよ説。時報のことなんでこれの可能性もかなりありそうで怖い。もしそうならこの記事書いた時間返してくれ。


さてここからは令和最新版、ついに発掘されてしまったガンとゴンの一次資料を元に上記の説を検証してみることにする。

一次資料とは?

記事冒頭にも書いたが、星の子ポロンの発掘作業を続けておられたkoichil氏に、なんと実際に制作に携わっていた「スタジオパサ」のスタッフが接触し、結果そのスタッフが保存していた当時の宣伝用フライヤーが白日の下に晒されたのである。

8181chttest.hatenablog.com

これにより、当時の録画や新聞、そしてどっから引いてきたのかイマイチ分からない「TVアニメ25年史」など二次ソースから断片的な情報をかき集めるしかなかった星の子ポロン(ガンゴンも)にとって非常に、もうひじょーに貴重な一次資料が見つかったのである。やばい。

例のフライヤー自体かなり情報量が多いので全貌はそちらの記事の方をご覧頂きたいのは、こちらで注目したいのはおよそ120本に渡るガンとゴンのサブタイトル集である。前述の通り、このアニメは局毎に放送順がバラバラで正確なエピソード順を同定することが困難だったのが、今回の発掘である程度信頼性の高いリストが見つかったため、エピソードの繋がりについて考察することが容易になった。

というわけで、フライヤーから判明したタイトルを上述の仮説に従って5話ごとに分割してみて、ちゃんと大エピソードごとに分割できるか、またどのような話になるかを考察してみるとする。

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以上の画像はkoichil氏の記事より抜粋したものを一枚にまとめ、それに区切りを入れたものである。以下は勝手な考察。

シナリオ大胆予想の巻

1~5.「金貨編」

あの金貨争奪のお話、まさかの初期エピソードだった。あの2話はパイロットとしても制作されたのでよく動く、という考察もTLで見ました。

それに続いていたのはなんと名前だけ判明していた「悪党ピピー」。まさかあのグラサンマンの名前であった可能性が浮上。そして2話後に最後が描かれるらしい。何より次の6話でインデアン編が始まるので1シリーズ5話説が現実味を帯びてきた。

6~10.「インデアン編」

最初に未発掘の「ラーラとの出会い」が来て、あとは今の発掘順らしい。ということは1シリーズ10話とかではなく、あれで話が繋がっているらしい。オーマイガー。また、「シリーズの終わりのテロップ」も、この順番が正しければ成立しないのでこちらも立証失敗となる。

チラシの「解説」ではアメリカンな流動感をウリにしてた様なのでこの超展開もある程度は意図したものだったのだろうか…

11~15.「vsネズミみたいなやつ編」

例の「空中戦」だが、どうやらこれはシリーズ5話目、最終話に相当するらしい。本編冒頭のガンのセリフからして地上でドンパチやってから空中戦、という流れなのか。

他に比べるとエピソードの繋がりという説得力が薄いが、前後がうまくまとまっているため、こちらもシリーズになっているのだろう。賞金がどうのとか言ってたし。

16~20.「vsダウト編」

こちらはタイトルからストーリーが想像しやすい。おそらく「燃える水たまり」で油田とかを発見して、そんでダウトとの奪い合いに発展するんだろう。「百万長者」というワードもあるしほぼ確実に「オアシスを守れ」に繋がっていると思われる。

ただ、よく分からない系タイトルの筆頭である「男 対 男」がここに属しているのがかなり謎。なんか知らない人同士が闘いに発展するのを想像していたのだが、ここの男ってダウトとガンゴンのことなのか。

21~25.「霧の館編」

ここからは完全に未発掘回となるため、完全に筆者の妄想になる。ってか発掘された回ってほぼ序盤だったんだ。

霧の館や古城、森を舞台とし、ドラキュラが出てくるとのことで、おそらくホラー色の強いシリーズだと思われる。某ラテ欄にある「ドキュラー」は本当に誤植だったらしい。このアニメの場合、そういう名前で出てきてもそんなに違和感なさそうだけどな。

26~30.「ギャング&シルクハット編」

ギャング団とガンゴンが戦って、シルクハットの男が出てきて、今度はギャング団とシルクハット団が戦う。……なんだそれ。

前半3話と後半2話の繋がりが一見薄そうだが、区切り的にまだ5話セットの法則は続いている様子。ダイヤモンドの奪い合いで三つ巴になって、ダイヤがニセ物か本物かが鍵になるんだろう。

31~35.「忍者編」

こちらはタイトルから容易にストーリーが想像できる。忍者になったガンとゴンが消えた名刀を追って、最後は姫を助けるためにすすきが原で闘いを繰り広げるんだろう。今見られる話は西部風の舞台ばかりなので発掘されたらぜひ見てみたい。

36~40.「ドライバー編」

こっちもまあチキチキ猛レースするんだろうな、って感じの流れ。絶対穏やかじゃない話だし気になる回。と言って逆にチャー研の「殺人ハイウェイ」みたいな感じだったらどうしよう。それもそれで見てみたいけど。

「ドライバーだよ…」ってなんか哀愁ある感じの表記は単に省略されてただけなのか。

41~45.「蛇使い編」

男の名はタコラじゃなかった。

しかも蛇使いの名前だったとは意外。しかし関係ありそうな「大蛇天国」は含まれてないのも意外。ストーリーは蛇とトルコ石が関わって来ること以外よく分からない。

46~50.「ヤム族編(?)」

この辺りからストーリーが読めなくなってくる。たぶん「光る山」と「ダイヤモンドよ永遠に」が繋がってて、鉱山を巡ってヤム族とか植物とかとバトルすんのか。

51~55.「ゴンの内情(?)編」

よく分からない題名だらけだが、「眠るのが大好き」ってのは資料の設定にも書いてあったゴンの事だろう。それで「ガンとあいつ」「明日のゴン」と気になるタイトルが続く。

これってゴン視点で互いの関係を見つめ直す、みたいなしんみりエピソードだったりしないか。だとしたら今すぐ見せろ。じゃなくてもこの題名からどんな話が飛び出すのかは気になる。

56~60?61?.「???編」

ここからは5話=1シリーズ説がだいぶ怪しくなってくる。その理由は60話と61話がどちらもホラー回っぽい感じで、その次からが別の長編のような雰囲気を醸し出しているからだ。

56~60話間もよく分からない。「ハイウェーパトロール中」~「狙われた月の石」は、「夜のドライブしてたら宇宙人とか出てきたのね」とこじつけられそうだが、その次が「ガンの八つ当たり」なのが謎。その次が「光る目」「窓に立つ影」と、宇宙人関わっているのかいないのかと言った感じだし。

62?~.「大長編(?)海底大冒険編(?)」~「???」

62話「名ダイバーガン」辺りからは海に関連したエピソードが、5話に収まらず70話近くまで続く。地中海とかイタリアとかを冒険するらしい。いいね。前述したが61話は見かけ上60話とのここに含めていいかは確信がない。これらが独立した複数のシリーズなのか、数週間に渡る長編なのかは発掘されなければ分からない。

海底シリーズ(仮)の始まりも曖昧だが、終わりも曖昧である。仮に5の倍数を続けるなら「復讐」「大空の戦い」「鮮血の翼」という何のアニメだか忘れそうな無駄にかっこええタイトルが相当しそうだが、余りにもノリが違うのでシリーズに含められるかは不明。だって海底から大空行っちゃってるし。

と、シリーズの区切りを見失ってしまったため、この後の回について考察するのはもう困難だと言っていい。「最後の賭け|ハワイの休日」のような無駄に落差のある回や、「旅は道連れ」~「新幹線で行こう」のようなストーリーラインが見える回もあるので、シリーズの区切り自体は引き続き存在しているのだろうが……


まとめれねぇ

というわけで、色々な可能性について考えてみたが、正直資料がまだ足んねえよという感じになり、憶測だらけになってしまったことをお詫びしたい。かなり核心よりの資料が見つかったけどまだ分かんねえよこんちくしょう!!

果たして、「ガンとゴン」という作品の全貌はどうなっているのか、いやせめて「ラーラとの出会い」がどんな物だったかだけでも判明する日が来ることを切に願う。個人的には「ガンとあいつ」の意味も知りたい。あと今回見つからなかった「ラーメン族」関連も。

ガンとゴン

おわり